浮気している彼女の本心がわからない
僕は彼女の浮気のことでずっと悩んでいました。
とは言っても、思いの大きさにかなりの違いがあったし、まだ結婚の話なんて全然。だから、正確には浮気と言えるかはわかりません。
ただ、出会いの無い仕事三昧の日々にやっと巡り合った理想の女性像、何としても彼女をモノにしたいと思っていました。
でも辛いことに、他にも狙っている男がいたんです。
彼女は職場の人気者
彼女の名前はM美。今期から僕のいる部署に転属となった入社3年目のOL。特別美人というわけじゃない。けれど、スタイル抜群で脚も綺麗。それでいていつも気さくで、さらに気も使える。
当然、男性から人気があります。
もちろん僕が彼女に惹かれたのも、その気さくな優しさが大きな理由なのです。
彼女を初めて見たとき「ジャーン!!」と頭の中で銅鑼の音が響き渡りました。そしてそのまま恋に落ちました。
次第に彼女に惹かれてゆくなか、僕が彼女に妄想、いや、考えていることを、もしかすると他の男も考えているかもしれない思うと、気が狂いそうになってしまいます。
僕は真面目が取り柄の普通のサラリーマンです(と思ってます)。
これまで好きな女性がいても、友達止まりで、なかなか告白して付き合ったり、本命にまでには至らないうちに終わってしまう、そんなことの繰り返しでした。
でもM美は違いました。最初に誘ったのは僕からでした。
ちょうどコンサートの指定券が2枚手に入ったから、以前、歓送迎会で少し話したことのあった彼女を誘ったのが始まり。
彼女は誰にも気さくな性格なので、喜んで付き合ってくれました。
そのことがきっかけになって、彼女の誕生日に高価な贈り物という賭けに出た。これが、関係を深めることになった大きな転機になったと思います。
まだ告白はしていません。よく言う、友達以上恋人未満です。
しかも彼女は、そのことを誰かに話したようで、気づけばいつの間にか社内では評判になっていました。
僕とM美が付き合っているという噂。えー、そんなんじゃないよー。それを別に否定するでも嫌がるでもないそぶりのM美を見て、僕としては既成事実化できてしめしめといった感じ。
運命は完全に僕に味方!そう確信しました。
彼女の嫌な噂…浮気?
そんな嬉しい噂も落ち着き始めた頃、今度は、彼女の別の噂を耳にしました。
同じ職場の仲間から聞いたのですが、同じ職場のT氏が彼女と一緒に恋人みたいな距離感で歩いているところを見かけたというのです。
まさかM美が浮気を?
僕としては信じられない思いでした。
僕にとっては特別の彼女です。正直なところ、彼女とはこれからじっくり時間をかけて関係を深めようと思っていた矢先に、考えもしなかった展開に遭いすっかり焦ってしまいました。
「夕暮れの都心を手を繋いで歩く二人の、あの笑顔や視線は、絶っ対に付き合ってるね!少なくともそういう関係なのは間違いないよ!」
そうらしいです。浮気としか思えない彼女の目撃話に、僕は気が狂いそうなほど動揺してしまいました。
さっそく彼女を呼び出して問い詰めました。
「聞いたんだけどさ、T氏とこの前一緒いたらしいじゃん?何なの?何やってたんだろね?」
そんな僕の問い詰めに「別に浮気しているわけじゃないんだから」と言う返事が返ってきました。
その言葉を聞いてまずは一安心。浮気シテルワケジャナイ。という事は、僕には本気ということである。
やっぱり本気なんだ、そこまでいう彼女が、浮気などするはずもない、というのが正直な気持ちでした。
お願いだからTの誘いは断ってほしいとの懇願した僕に、彼女は困ったような顔をしながら何度も否定してばかり。
もはや浮気ですらないT氏の誘いを断るだけなのに、なんでこんなのに事が前進しないのだろう、そんな印象を持っていたのを覚えています。
先に明かすと、彼女の意味していたのは「まるで私たち付き合ってるみたいだね」という事。つまり、彼女にとって僕と彼女はなんら特別な関係ではない。よって本気も浮気も生じない。「それなのに浮気しているの?と聞かれても困るんだけど」という事でした。
そんなことも知らず、とにかく彼女の本気を信じて安心した様子の僕に対し、彼女は「変な人」と零しました。
その時は完全に意味を取り違えていました。もしかしたら、これが彼女の本性なのかもしれない。僕の前では僕が本命、T氏ではまた…。そんな無節操な事を考えざるを得ないことで、僕のプライドはズタズタに傷つけられたような感覚になりました。
それからというもの、仕事中もM美の仕草の一挙手一投足が気になってしまいます。同時に彼女に対するT氏の視線も常に意識するようになっていました。
同じ職場で三角関係が成立してしまうといった、考えたくもなかった状況に巻き込まれていたのです。
しかも彼女がT氏と浮気している様子が常に頭に浮かんでしまい、妄想は広がるばかり。妄想の中のM美は嬉しそうにT氏に抱かれ、エッチな浮気行為をしているのが頭に浮かんできてしまいます。
しかし、そして悶々とし続けている自分自身に対して我慢を押さえきれず、ついには意を決することにしました。
同僚と行った日帰り旅行で、彼女と2人きりに
会社の同僚と共に出かけた週末の日帰り旅行。幸運なことにT氏は出張で不在でした。
少しお疲れモードの帰り車には、僕とM美と二人だけという絶妙なシチュエーション。(今日しかない!)同僚の車とは渋滞に紛れ、はぐれたフリを装い、なかば強引に彼女をラブホテルへと連れ込みました。
ちょっとした期待もあったのか、
意外なことに、M美はさほど抵抗する様子もないまま、僕に抱かれました。
こんなに心を許してくれてるんだったら、もっと早くしていればよかったな。これでやっとM美を僕だけのものにできたのです。
本当に幸せな時間、幸せな一日でした。
彼女の浮気と裏の顔
しかし、彼女はずっと上手でした。
やはりT氏との浮気は継続していたようなのです。
それも、僕とM美の噂を知ったT氏が、僕の知らないところで彼女に猛アタックを掛けてデートに誘い出し、強引に関係していたようなのです。
しかも僕よりもずっと頻繁にデートを繰り返し、僕よりもずっと深い関係の浮気のように思えました。
どうやらT氏は、彼女に高価なプレゼントで攻勢をかけてもいたようで、言わば「金でオンナを釣る」という典型的な手口で彼女に迫り、彼女もそれに「負い目」を感じたのでしょうね、そうして付き合う事になってしまった、そんなとろこでしょう。
全くそんな様子を見せないT氏に、彼女の浮気など全く気づくこともなく、僕と二人だけの関係が続いているものと思い込んでいました。
しかし、彼女に浮気をしている気配を感じたのです。
ごめーん気づかなかった―。…連絡のつかないことが多くなり。今日は疲れたから早めに休むね。…12時間以上も音信不通。ずっと寝てたー。
探偵に調査を依頼した
さすがに耐え切れず、浮気調査を探偵に頼むことにしたのです。
浮気の調査を興信所や探偵に頼むものだと初めて知りました。意外と利用されている方も多いのだそうです。
探偵というと、マンガなどではキザで頭のキレる探偵が、論理と推理力によって刑事を助け、事件を解決に導く爽快な物語がすぐに思い浮かびます。
アニメ化もされましたし、学生時代は、特に女子から支持されていました。勧善懲悪。あんなキャラがモテるのかと、以前マネしていたことがあります。
とはいえ、現実の探偵には全くそんなイメージをモテません。正直「探偵&興信所=怪しい」です。
はじめは自分で浮気の調査をしようと思ったのですが、彼女をずっと張り込んでいるくらいなら会いに行くわ!、、。他にも理由はありますが、探偵に浮気調査を頼む気になりました。
ネットで浮気調査の探偵を探すと相当と相当な数がありましたが、何件かに絞り電話して対応の良さそうなところに相談に行く運びに。
面談ではいろいろな調査をご提案いただきましたが、僕には証拠なんて要らないし、証拠なんてむしろ見つからない方がいい!
という事で、証拠をあまり重要視しない、数日間で終える短期の調査を依頼、けっこう融通が利くのですね。
それでも費用は11万円なり。当然クレジットカードで支払います。男の36回払いです!
あとは数日後結果を待つだけ。
結果はやはり思っていた通り、それを聞いた時はとにかく大ショック。数日の間、会社で彼女の顔をまともに見ることもできませんでした。
浮気した彼女の素顔
彼女と話をしました。探偵に依頼したことも明かしました。彼女への僕の思いも伝えました。
彼女がどうして僕と関係を持ったのだろう。それは、彼女にとってはそうしたことが普通の付き合い方であり、一人の男性を相手にした成り行き上、自然の行為だったようなのです。
僕もT氏も好きだから。だから一緒に付き合ってるの、何がいけないの?
本気や浮気という事ではなく、友達として好き。そう言っているように聞こえました。
そして職場では仲良くしているT氏にも僕にも嫌われたくないから、というのがその理由でした。
嫌われたくないから。
それを聞くまでは、どうしようもないただの浮気症だと思っていました。その彼女の、普段は絶対に見せない、優しさゆえの弱さ。急に愛おしくなります。
M美との関係を続けるべきか、それとも断ってしまおうか、本当に悩みました。
諦めてしまえば彼女をT氏に取られてしまう事になります。
しかし、そんな彼女と結婚できたとしても、将来的に彼女に浮気を続けられては堪ったものではありません。子どもにも影響します。
他方で、容姿的や、彼女の気さくさ、繊細さには、これ以上の相手には出会う事はないとも思ってしまい、このチャンスをどうしても逃したくないという気持ちが残ります。
男にとって女性の容姿や器量というのは非常に重要なものです。いつも一緒に連れて歩いて周囲に自慢したい。お出かけのワンシーンやその時に交わした言葉をいつまでも留めておきたい。そんな男の自尊心を満たしてくれる存在として、また、いつか心を落ち着けて、ずっと共にこれからの未来を歩いてゆきたい。
そんなことを考えてばかりです。ただ僕にはM美の浮気を止めさせる自信や方法があるわけではないので、悩みが尽きません。
彼女の浮気をやめさせるには
でも決心しました。彼女に結婚を前提に付き合ってほしいと告白してみるつもりでいます。
過去のこと、T氏とのことは繰り返さないでくれるのであれば、目を瞑ります。
過去の浮気相手が同じ職場にいるのは辛いことですが、彼女とともに過ごせるのならば我慢します。
彼女にはできれば職を変えてもらいたいですが、それよりも2人新天地で生活を始めることを考えています。
彼女の「嫌われたくない」には、昔のいろいろな過去が詰まっていました。その暗がりを僕はどこまでも受け止めます。そして、彼女の支えになるとともに、僕も彼女に支えられていることを実感できる、そんな暮らしを描いてゆきます。
浮気調査について詳しく知りたい方・無料相談する前に確認したい方
どんな事を幸せと呼ぶかは人さまざまです。配偶者に求めるものも同様です。「経済力?包容力?優しさ?価値観?」そうしたものはすべて「安心」という事に繋がりませんか?
言い換えれば、安心を得るために私たちは配偶者を選ぶのでしょう。しかし、必ずしもそのパートナーが心を満たしてくれるわけではありません。
パートナーのことを好きだという感情は素晴らしいものです。誠実な2人がお互いに向ける対等な愛情というものが存在すれば、それを程望ましいものは無いように思われます。しかし、男女の関係は常に偏りがあるものです。それがまた二人を結びつけることになった関係であるともいえるのでしょう。
関係とは理解の上に成り立ちます。皆さんは相手に対する理解をどの程度持つことができているでしょうか。そのような貴重な会話の時間は?昔を掘り起こし、価値観を確かめ合うひと時は?いかがでしょうか。
もし、浮気を未然に防ぎたいなら、この相談者のように過去を、つまりあまり触れられたことがなかった部分をともにしていくことも一つの方法ではないでしょうか。
今回はそうしたお話のきっかけをおつくりすることができました。
「嫌われたくない」それは、誰に対してなのでしょうか。周りの人すべてにでしょうか。それとも一番大切な人にでしょうか。